個人事業、任意団体、NPO法人について 個人事業主・独立開業

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個人事業、任意団体、NPO法人について

Date:2009/03/26
Category: 個人事業主コラム


個人事業とは

個人事業とは、法人を設立せずに起業家本人が個人の身分で事業(商売)を行う方法です。
資金がさほど必要なく(少し極端ですが、ゼロでもOK)、開業・廃業ともに簡単な手続きで行うことができます。しかし廃業が簡単だということはそれだけ社会的信用が低いということになります。

個人事業のメリット

  • 開業の時期、場所を選ばない
  • 開業が簡単(手続き及び金銭面において)
  • 会計処理、決算が簡単
  • 事業変更が自由

個人事業のデメリット

  • 債務の無限責任
  • 社会的信用が低い
  • 政府管掌の社会保険に加入できない

個人事業の例

  • 個人商店(八百屋さん、魚屋さんなど)
  • フリーランスのWEBデザイナー
  • マッサージ屋さん・治療院

任意団体とは

任意団体とは、株式会社、学校法人、財団法人、社団法人、NPO法人などといった法律が定めた法人格を持たない、「任意」の集まりのことです。「権利能力なき社団」とも呼ばれます。
ちなみにですが、法的には存在していない任意団体と言えど、給与を支払う場合は源泉徴収義務者となります。

任意団体のメリット

  • 許可・認可・承認・登録などを必要としない
  • 始めようと思えば誰でもいつでも可能
  • 団体名を名乗ることができる

任意団体のデメリット

  • 公団、公社、役所、役場、省、庁など公的な機関が用いる名称は使えない
  • 社会的信用が低い
  • 団体名での銀行口座を開設するのが困難
  • 「アヤシイ」と思われやすい

任意団体の例

  • 各種ボランティア団体
  • ○○○観光協会
  • ○○○センター
  • ○○○機構

NPO法人とは

NPO法人(特定非営利活動法人)とは、社団法人の一種として、NPO法に基づいて都道府県または内閣府の認証を受けて設立された法人のことをいいます。
「非営利」という部分について、多くの人が勘違いしている点があります。それは、事業収入を得たり利益を出すことが悪いんだと思っている点です。「非営利」とは、事業収入を得たり、社員が給与をもらうことがダメだということではなく、利益の分配をしてはいけないということです。つまり、利益が出た分については次期に繰り越すことになります。

NPO法人のメリット

  • 社会的信用力がある
  • 資本金は1円からでもOK
  • 社会や人のための仕事ができる
  • 設立するのに費用がかからない

NPO法人のデメリット

  • 利益配分ができない
  • 認証を受ける必要がある
  • 書類を役所に提出してから設立に時間がかかる(4か月~半年程度)

NPO法人の例

全国NPO法人情報の検索から検索することができます。

NPO法人の設立資金の違い

株式会社NPO法人
資金1円以上0円でも可
定款印紙代4万円0円
定款認証手数料5万円0円
定款謄本証明料1,500円位0円
登録免許税15万円0円
費用合計最低24万円0円
行業者などに依頼すると、手続の一切を頼んだ場合、20万から30万円ほどかかります。

任意団体とNPO法人の違い

任意団体とNPO法人は、時折、似たようなものとして考えられます。「ある目的を持って活動する団体」と考えればあながち間違いではありません。
要するに、認証を受けた任意団体がNPO法人と考えればわかりやすいかと思います。ただし、NPO法人にするには認証も必要ですし各種手続きも必要です。また、事業年度終了後に事業報告書や収支計算書などの書類を出なければならないなどの義務も発生します。また、任意団体であれば私益のための活動ができますが、NPOは公益のための活動が原則になります。

NPO法人に必要な要件

NPOには必要な要件がいくつかあります。
  1. 特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること
  2. 営利を目的としないこと
  3. 社員の資格の得喪に関して、不当な条件をつけないこと
  4. 役員のうち、報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること
  5. 宗教活動や政治活動を主たる目的とするものでないこと
  6. 特定の公職者(候補者を含む)又は政党を推薦、支持、反対することを目的としないこと
  7. 暴力団又は暴力団の構成員等の統制の下にある団体でないこと
  8. 10人以上の社員を有するものであること(役員は理事が3人以上、監事が1人以上必要)

「特定非営利活動」の17種類の活動分野

  1. 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
  2. 社会教育の推進を図る活動
  3. まちづくりの推進を図る活動
  4. 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
  5. 環境の保全を図る活動
  6. 災害救援活動
  7. 地域安全活動
  8. 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
  9. 国際協力の活動
  10. 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
  11. 子どもの健全育成を図る活動
  12. 情報化社会の発展を図る活動
  13. 科学技術の振興を図る活動
  14. 経済活動の活性化を図る活動
  15. 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
  16. 消費者の保護を図る活動
  17. 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動

NPO法人ができる収益事業

NPO法人は「特定非営利活動」という主たる活動のほかに、「その他の事業」というものをやることができます。そもそもNPOと言えど、なんらかの方法で資金を集めなければ活動自体ができません。
そこで、不足した資金を稼ぐために「その他の事業」として収益事業ができるようになっているのです。ただし重要なのは、「その他の事業」で得た収益は全額本来の事業のほうに入れなければならない点です。また、「その他の事業」の支出額は総支出額の2分の1以下でなければなりません。これは本来の事業がメインであることが原則だからです。


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